中々に緊張した。
何を隠そう、僕は今まで電子部品をこういった本格的なところで買ったことがない。
であるから、あんなに狭い3メートル×6メートルぐらいのたくさんの人が肩がふれあうほど近くでひしめき合っている店内で、あまり見慣れていない部品が満足に探せるわけない。
事前に買う部品に目処を立てて行ったものの、買う形式や部品が置いてある場所がいまいち判らずかなり焦った。
先ず最初に生じた疑問は「カウンターにある端子がむき出しなコンデンサとか、セラロックは勝手に触っても良いものか」
この疑問は周りの玄人の香りが匂い立つおじ様の行動を観察することによって「触ってもいい」という風に解決。
次に生じた疑問は「このザルにとった、電子部品を見て店の人はどう会計するのか」
電子部品はかなり似通っている。
そして、小さいためにバーコードをつけることができない。
抵抗やコンデンサはまだ判るとして、例えば18ピンソケットと20ピンのソケットとかがわかりにくい。
数えているだけで目がちかちかする。
この疑問は実際に会計を頼んでみると解決した。
会計の人は部品を見るなり一瞬で識別し、値段をばんばん付けていく。
職人であると思った。
正直に言うとかなり感動した。
感動に身を任せ「凄いですね」と話しかけた。
しかし、聞いてみると彼はアルバイトだという事実。
日本でこれ程の技術が要求されるアルバイトは他にないのではないか。
そして、僕は今日、アルバイト様の手腕に敬意を表し、15000円ほど散財した。
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